White

わたしによる、わたしのための、わたしのめも。

彼のとなり

ゆーくんについて行っていいのか分からなくなった。



彼女としての私しか興味ない。私の魅力と聞かれるとわからない。なぜ好きなのか、それは付き合っていて不満がないから。



薄々勘づいてた彼の私との恋愛に対する受身っぷり。それを改めて実感してしまった。そんなことを言われて不安にならないわけが無い。彼は本当に私のことが好きなのか。彼は私ではなく"たまたま横にいた従順な女の子"が好きなだけなのではないか。それが居心地いいだけなんじゃないか。恋愛につかれた彼にとって都合が良いだけなのではないかと。本当は愛されてなど、認められてなどいないのではないかと思ってしまった。



ゆーくん以外に男の人に好きだと言われたことがない私が、ゆーくんにすら本当に愛してはもらえないのだったら、自立して自分を磨いて、誰か本当に愛してもらえる人を見つけた方が幸せなんじゃないかと。


別れてもしょうがない。とにかく今の気持ちを言わないと。その一心で朝勤前、彼にlineをした。



あなたについて行っていいのか分からなくなっちゃった。今日会えないか。



何がなんでも会うって言ってくれたけど、彼はその日幹部会議でいつ終わるかはわからない状態で。不安なまま彼の大好きな、おかげで私も大好きになった街を歩いた。



この街に来たのは実は久しぶりだったんだけど、待ち合わせ場所にしたのは間違いだったと足を踏み入れた瞬間に思った。どこに行っても彼の顔、言葉を思い出しちゃって。歩きながら涙が止まらなかった。もうなんでもいいから会いたい、手を繋いで歩きたい。そんなことを思いそうになって、だめだ、折れちゃだめだと必死に自分を保った。


そして会って、全部伝えた。彼は拙い私の話を一生懸命聞いてくれたし、ちゃんと理解してくれた。そしてこう言ってくれた。


咲のことが好きです。たまたま横にいた女の子じゃない、咲だから好きだ。今日も駅で咲の前に立った瞬間に、咲の匂いがして安心したし絶対コイツを離したくないって思った。俺が咲を追いかけるから。出会いがたまたまだったことを否定はしないけど、そのたまたまの出会いに感謝してる。安心しきって甘えてた。そんな俺を好きでいてくれると勘違いしてた。ごめんね。俺が咲との将来を見すぎてて今の咲を見れてなかった。ごめんね。俺に夢を与えてくれたのは咲だから、そういう意味でも咲は特別。咲がいないと俺は幸せになれない。咲のために俺は今からの2年頑張ろうと思ってるから。前に自転車に乗ってる時言ったけど、咲に特別して欲しいことはなくて、ただ俺の隣にいてくれたらいい。まだ言うことじゃないと思ってあえて言ってなかったけど、俺は咲と結婚したい。そう思ってる。言ってくれてありがとう。もっとわがまま言ってくれていいよ。もっと咲を知りたい。頑張る。



嬉しかった。安心した。言ってよかったなと心底安堵しました。私の匂いをかぐと安心するとか、私を追いかけたいほど好きだとか、私のための大学3回、4回での勉強(主に公務員試験)を頑張ろうと思ってるなんて話は初めて聞いて。それに彼も軽く泣きそうだったように見えた。私のことをちゃんと好いてくれている。私が知りたかった所はそこなので、とてもとても嬉しい回答でした。



この日のお互いの言葉は忘れてはいけないものだと思う。彼もそう思ってる。忘れないようにしようね。



今日も私は彼の横を歩く。私が歩きたいから、彼が歩いてほしいと思ってるから。